

第36回 富山県建築賞受賞
第45回 富山県デザイン展 奨励賞
二重にかこわれている そんな住宅があったらと思った
そうして周辺環境からまもられながら
部屋にいても光や空の青さを 感じられるようにした
そうすればそのまわりにひろがる
もっとおおきな世界に 包まれていることを感じられるから
持ち家率の高い富山では市街化調整区域を大規模開発することで
画一化された宅地が増えている。
この住宅はそんな風景の中にある。
雪国である富山の伝統的な住居形式は 平野部には
散居村のアズマダチが残り、山間の五箇山には合掌造りがある。
今回はそのような地域の例にならい 積雪荷重を屋根勾配で回避し
軽快な構造をえている。 屋根から落とした雪は井戸水による
散水消雪設備を建物外周に設け随時融かすこととした。
(五箇山では冬期になると建物外周に堀状に水を流し消雪する)
この建築はコンクリートの箱をガラスを前後に配した外皮で被い
入れ子の構成とした。 居間、座敷、寝室など生活の主となる室
/「主室」を コンクリートの壁で囲いその外側を通路とし
そこにキッチン、浴室、トイレなどの一時的に使う室
/「従室」を配した。 主室の壁は熱容量の大きい
コンクリートだから室内で放出した熱を貯える。
従室は主室をとりまくバッファーゾーンとなり
主室は年間を通して環境の安定した場となる。
主室に挟まれ中心にある中庭は「さしこまれた外部」。
囲まれ守られた場に意識はかかわりをもとめて開いていく。
庭はほぼ南北にのび正午に奥まで光をひきこむ。
切り込まれた中庭は建築内部に厳かな光を導く。
入れ子の安心感を保有しながら外に対して
意識のぬけをつくろうとした。
中庭を介して青い空が見えたり、
動線の行き着く先は窓にしてあったり
熱気をぬくためのトップライトからは星も見えたり。
前面道路側はガラスで開放されたアトリエで 仕事をしながら
近所の人たちの営みが見える。 だからよく挨拶もする。
雲や雨や雪が身近に感じられる。
環境「建築をとりまく大きな世界」に開くことで
感覚的ひろがりを求めた。
結果、生まれた外観は「ガラスの合掌造り」であり
進化しながら回帰する新しい富山の住まいを目指した。
主体構造・構法 鉄骨造+RC造+木造
基礎 ベタ基礎
敷地面積 286.31 m2
建築面積 160.22 m2
延床面積 216.58 m2
1階 136.53m2 2階 65.17m2 3階 14.88m2
設計期間 2003年1月〜2004年5月
工事期間 2004年6月〜2004年12月


