金屋のすまい
古くなった母屋の全面的な建て替え。東側に池をもった日本庭園が広がる。その庭をかこむように雁行型の東にひらけた二世帯住宅を提案した。
ほとんどが平屋で軒が深く空間は縁側や軒下の土間から庭へと連続する。 親世帯と子世帯は北と南に距離をもって建ち その間にダイニングスペースを共有する。
その場は「家族室」。大きな食堂/居間であり 暖炉や大きなテラスをもち ふたつの世帯が交わる場所とした。

 

 

 

 

study
庭園へのつながり
この住まいは、3つのエリアに分かれますが、それぞれ違った形で中庭に開いています。
親世帯は日本的な開き方で、和室から障子を通して縁側、その外に犬走、庭というような伝統的なつながり方です。
子世帯は適度な開口部を持ち、単に開放的なつながり方ではなく抑制の効いたpicture window的な見せ方で庭を見ます。西洋的感覚。
また、両世帯の間にある大食堂、家族室の、床と天井をチークで仕上げたこの空間は、庭に向かって天井が降りてきて、深いの軒下空間へとにつながっています。
間口間口は3間半と大きく、そこに4mフルオープンになる木製の折れ戸を備え、開放的に庭とつながります。
天井の高いダイナミックな空間から、おおらかにソトへとつながる感じは、アジア的な感覚。
大きなテラスの外には水盤があり、その水面は端部が水のままできられ、既存池の水面へとつながります。
家族室はダイニングから、テラス、水盤、池、庭へと、この住まいの中で庭にもっともつながっている、生活の中心の場です。

 

 

 

photo: ryouhei yanagihara
雁行型の配置
この建物は桂離宮のように雁行型の配置です。それぞれの部屋が庭に接する面を少しでも大きくとれる工夫です。
また庭を取り巻くように配置してあり、どこの部屋からで中庭が見えるようになっています。
結果、建物のボリュームはいくつかにわかれ、庭に対して圧迫感を与えない 小さなスケールの集積としてできています。